2015年9月4日金曜日

見てないようで・・・。考えてないようで・・・。

皆さん、こんにちは。
企画員です。

気仙沼市は残暑も無しでいきなり秋が来たのか
という感じで涼しくなっています。

もう9月になりましたね。

教育旅行(修学旅行)等の受入れもひと段落。

参考までに4~8月の受入れ数は21校(団体含む)1777名。

多くの生徒さん達が気仙沼市を訪問しました。


生徒さん達を受入れる側として、「気仙沼を訪問して、見て・聞いてどう思った
のか」という事は気になるところ・・・。

しかし、残念ながらタイミングが合わずに直接話を聞く機会が無い為、生徒さん
達の態度や表情から察するしかありません。

今の子供達(この表現が良いか悪いか分かりませんが)は何事に関しても
無関心(良く言えばクール)な子が多い印象で、「見てるかな」「聞いているかな」
という事を態度や表情から察するのは困難です。



でも、しっかり見て、聞いて、考えているんですね。







これは、今年度いただいた生徒さん達からの感想の手紙。

中には、気仙沼で見て・聞いて・感じた事を壁新聞にして送ってくれた
学校もあります

さらに、まとめて資料を作って送ってくれた学校もありました。


その全てを読ませていただきました。


その中の生徒さんの感想の1部をご紹介します。

・実際に被災地に行ったのは初めてで想像していたものと全く違った。

・気仙沼を訪問する前までは街が復興しているものだと思っていた。

・自分達にとって東日本大震災という出来事はあまり関係ない
 と少し軽く考えていたけど、この震災を受けた人々のためにも
 この震災は絶対に忘れてはならない、そしてこの震災の記憶を
 受け継いでいきたいと考えるようになりました。

・被災地を見る前は4年も経ったと思っていたけど、今は4年しか経って
 いないと思うようになりました。
 そう考えていたことを反省しました。

・学校に帰ってから自分達1人1人何が出来るか話し合いました。

・遠い所からでも何か1つでも元気づけられるようなものを見つけて
 少しでも復興の手助けをしたい。

・命の大切さに気付かされました。
 これからの人生を大切に生きて生きたい。

・普通の生活のありがたみを改めて感じた。

などなど・・・


皆さんが実際に現地を見て、様々なことを感じ取ってくれている
事が分かり、嬉しかったです。


さらにこんなお手紙もいただきました。

少人数でいらっしゃった学校の皆さんと市民との交流という
形でお話させていただき、その中で私は「高台移転は必要
ではないか」という事を話しました。

その後、その生徒さんからお手紙をいただいたのですが
その内容は次のとおりでした。(簡潔にまとめました)




高台移転は必要という話を聞いても自分は、例え津波が来た場所で
あったとしても住宅・工場などを建てるべきだと思います。
確かに話のとおり住宅や工場を内陸に移すほうが安全かもしれません。
しかしながら、それではならないと思います。
そう思う理由は3つあります。

①防災意識の低下
  気仙沼の人たちは津波と隣り合わせということを幾世代も経た後、
  忘れてしまうのではないか。
  震災のつらい経験を子や孫に話したくない方々が多いのではないか。
  その結果、津波を想定した避難訓練ではなく通常の地震・火災等を
  想定した避難訓練となり、人々が津波の事を忘れてしまって海の
  近くに再び住むのではないか。

②用地確保の難しさ

③防災教育の為
  海=(イコール)津波と隣り合わせという意識を持ち続ける事ができる。
  


という手紙を高校生の方からいただきました。


復興工事に関しては「これが正解」という事はきっと誰にも分かりません。
(「今は良くても後で考えると違っていた」「今は良くないと思っているが
 時間が経って考えてみるとこれで良かった」という事がでてくると思います。)

私は、遠くの土地で生活している高校生が将来の気仙沼の事を考えて
くれている(他人の立場に立って考えてくれている)ということに対して
感銘を受けました。


今、世の中には残酷なニュースが沢山流れています。


多くの人達がこの手紙のように「他人の立場に立って考える」事が
出来ればいいのになと思うと同時に、「自分も気をつけなければ」と
思います。




子供達は色々な物や話を
「見てないようで・・・見ている。」
「聞いていないようで・・・聞いている」

そして、それを基に
「考えていないようで・・・考えている。」


子供達は将来を担っていく大切な宝。
色々な事を見て・聞いて・考えて成長していって欲しいと思います。








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